
秋の青ムロ祭り
時化のなか、さるびあ丸はなんとか式根島に着岸することができました。
特異日の11月3日に絡んだ三連休は穏やかな秋晴れが多いイメージですが、思いやられるスタートです。それでも、昨年の今日より思いやられることはないだろうと心は晴れやかです。


青ムロフィーバー
到着した野伏港もびしょ濡れですが、雨も上がったので、さっそく釣りを始めます。
しかし、困ったことが起きました。私の島釣り必須アイテム「竿置き」が錆びついてネジが回らなくなってしまい、車止めに取り付けられません。
(馬鹿力はおらんかな~)と周りを見渡すと、ガタイの良い男性二人組が「釣れますか」と近づいてきました。これはいいぞ。
「いやー今初めたところなんですよ、それでですね、(略)」と頼むと、彼らは竿置きを手に持って何回かネジを回してみたあと
「これはダメだ!ちょっと借りますよ」と、車に乗り込み、どっかに消えました。
なんだか申し訳ないな~シメシメと、手持ちで釣りをしていると、戻ってきて
「すごい固かった!でも、現場監督が道具を使って直してくれた。油をたっぷり塗ってあるからしばらく大丈夫なはず」と復活した竿置きを渡してくれました。なんという親切。監督ありがとう。
聞けば、建設会社の方々で、現場が終わるまでしばらく式根島にいるのとのこと。
そんな話をしていると、桟橋の先端から「ムロの群れだっ」と声が聞こえてきました。顔なじみの島民釣り名人も「内側に青ムロが入ったね」と教えてくれました。
建設会社の方に「今なら青ムロが釣れますよ」というと、「やってみようかな」と車から竿を出してきました。
ふと見たら、釣り名人もすぐシンプルな延べ竿に持ち替えて参戦しています。
よーし!私も…と仕掛けを組んでいると「ほーらほらっ」「きたきたきた!」と呼びかけられました。
振り返ると、25㎝前後のやや小さなムロが入れ食いになっており、サビキ仕掛けを入れるやいなや、竿がしなって3匹、4匹と鈴なりです。コマセは必要ない活性に突入し、もはや5本、6本と連なるサビキ仕掛けの針に一度に何匹かけられるか?を競い合っています。その刹那で、さすが釣り名人は延べ竿を軽く振ってムロを外して、すぐさま海に仕掛けを落とす最速の手返しが見事です。
ムロも、これほど釣れれば、どんな大人も子供に返るのだなあと感心して眺めていると、桟橋でぴちぴちと跳ねる大量のムロに気がつきました。これじゃ、漁船の甲板です。
そのままにはしておけませんので、私は片っ端から拾って首を折り、次々、バケツで血抜きをして、クーラーボックスで急冷する流し作業に入りました。「まるで漁協や」という声が聞こえたような気がしますが、とにかくムロが次々上がってきますので、迷う暇もなく返り血を浴びながら、黙々と100匹くらい締め続けました。
やがて、ムロの群れが散り始め…
「あー楽しかった!!」
…Oh No!!参戦する前に青ムロフィーバーが終わってしまいました。
「…ムロ、袋に入れましょうか?」と力なく声をかけると、なんと建設会社の方も、釣り名人も
「いらない」
え~っ!!
「全部あげる」
え~っ!!
…100匹もどうするんや。
釣り名人「みつよ※がくさやにするよ」
※ひだぶんの女将

結局、私はほとんど釣りをせず、納竿。しかし、これが本当に青ムロが釣れる時の勢いなのだなーとまた経験が増えました。そして、できれば自分で釣りたかったという複雑な思いと大量のムロを抱えて宿に帰還しました。
ひだぶん女将「くさやにちょうどいいサイズ~💓」
思い出ギャラリー


今回釣った魚
イスズミ、イシガキフグ、アオヤガラ、ベラ、ソウシハギ、 オジサン アカハタ
↑黄色は食べやすく美味しい魚(当社比)
今回のお料理(2泊分)





調理のポイント
[持参したもの]
・きのこ ・紅玉 ・ピザ生地 ・レモン ・パルテノヨーグルト ・ピンクペッパー ・米 ・ハーブ類 ・ドライトマト ・ゴルゴンゾーラチーズ ・小分けした調味料 ・塩こんぶなど
[現地調達]
式根鯛平君(養殖真鯛)
[工夫とポイント]
・初日は釣れなくても食べられる材料を用意
・式根鯛平君を2匹、式根島養殖場から取り寄せたので釣れなくても気楽です
・ピザはのせて焼くだけで簡単豪華
よりぬきレシピ
書いた人

こんにちは。私は、「自分で釣った魚で料理を作って、美味しいお酒を飲むため」に式根島に通っています。この「今宵もしきねでバエパッチョ」が式根で釣りをやってみるきっかけになったり、自炊民の多少の参考になれば幸いです。