航空手段がない式根島は船が欠航したら、その日は帰れません。欠航した日の式根島と帰れなくなった人たちはどうなるのでしょう。

欠航の予感

欠航を決めるのは船会社です。式根島には大型客船(さるびあ丸)とジェット船、貨客フェリーの下田船(あぜりあ丸)が就航していますが、ここでは、来島手段のメインとなる東海汽船を前提にご説明します。
なお、東海汽船は、風速や波高など、明解な欠航基準があるわけではなく「総合的に判断して欠航を決める」と明言しています。それでは、欠航しそうかどうかは、事前に分かる方法はないのでしょうか。100%ではありませんが、島民が「こりゃ大型客船も欠航だろうな~」と予感する状況はあります。

1.波浪・強風警報発令
2.波高3m~4m以上の予報
3.台風や強い前線通過

風や雨の強さより、やはり東京湾から外洋に出たあたりの海況がポイントになります。大型客船(さるびあ丸)は、前日の夜に竹芝を出航できなければ、当然翌日の式根島は全便欠航となります。


島民愛用のWindyで「これは無理やろ~」の様子↓

画像出典:Windy

海天気.jp「こりゃアカーン」の場合

画像出典:海天気.jp「式根島」

天気・気象の参考リンク

欠航のパターン

1.前夜の東京から欠航パターン
→これは最もひどい欠航です。

2.大島折り返しでその他(利島・新島・式根島・神津島)欠航パターン
→大島の就航率は99%であり、めったに欠航しませんので、まあまあ、あるパターンと言えます。

3.大島と神津島以外(利島・新島・式根島)欠航パターン
→入りやすい港が2箇所ある島は風裏対策がしやすくて有利です。

4.大島と新島と神津島と以外欠航パターン
→あまりありませんが、野伏港が北東向きのため、北東風が爆風でうねりがもろに当たる場合はあります。冬のラスボス・西風には割と強いのですが・・。

5.上り便欠航パターン
→これは、よくあります。大型客船は式根島に神津島行きの下り便が9:05(夏は8:05)、東京行きの上り便が11:25(夏は10:25)に到着しますが、上り便が欠航になると、東京に行きたい人は、下り便に乗船して、いったん席なしで神津島まで行き、折り返して帰ることになります。

あーあ!!

そんな時は↓の記事を参考にとっておきの船旅を楽しんじゃいましょう!

6.ジェット船欠航パターン
→波高予報が2.5m超えてくると、怪しくなります。つまり、割と欠航します。

他にもパターンはありますが、式根島に関係する欠航はこんな感じだと思います。

欠航はいつ、どうやってわかる?

欠航情報は東海汽船のホームページ「本日の運行状況」と島内放送でわかります。島内放送は外では聞こえづらい場所もありますが、宿内なら、よく聞こえるようになっていますし、スタッフが理解していますのでご安心ください。島民も意識しているので、聞けば多分わかります。

東海汽船が東京から出す船の運行決定をする時間の目安は下記のとおりです。

画像出典:東海汽船ホームページ「船の欠航・乗船券の払い戻しについて

ただ、各島をスキップするかどうかは、その時の海況によります。時間をずらして、何度も着岸を試みた上で、どうにもならずに欠航決定。みるみる無慈悲に遠くなっていく、さるびあ丸よ、さようなら~・・もあります。下記タイムラプスは、ギリギリ着岸成功シーンです。基本的には島民の生活物資を運ぶ貨客船である大型客船は相当頑張ってくれますし、2020年に新しい3代目さるびあ丸になってから、見違えるほど就航率が高くなりました。

※不安を抱えながら見守っていた観光客と島民の安堵の声がこだまする野伏港

欠航したら何をすべきか

残念ながら、欠航が決まった場合、するべきことは、「乗船券の再手配」と「宿の確保」です。

乗船券の再手配

東海汽船では、欠航や条件付き出航の場合の、キャンセルや予約変更は手数料がかかりません。いくら怪しくても、欠航や条件付き出航などの判断が出揃うまでは、普通にキャンセル料や変更手数料がかかりますので要注意です。

乗船券の手配や払い戻しについては、下記サイトを確認してください。
東海汽船ホームページ「船の欠航・乗船券の払い戻しについて

東海汽船お客様センター(受付時間 毎日9:30〜18:00) 
TEL03-5472-9999/0570-005710

上記で変更手配はできますが、乗船前にチケットの再発行は必要になります。一度で済ませたい方は、式根島の野伏港船客待合所に直接出向いて、変更と発券を同時にしてしまうのが手っ取り早いかもしれません(翌日、無事に出航できればですが・・)。

野伏港にある野伏港船客待合所

宿の確保

ご心配されるでしょうが、宿の確保については式根島ではさほど問題なりません。式根島は船以外の来島手段がありませんので、欠航した場合は、新しく入ってくるお客様もおらず、スムーズに延泊ができることがほとんどです。

問題は、ガチの悪天候で欠航になっている場合は、島内の商店や飲食店が揃って臨時休業することです。それでも、お客様がお腹をすかせて困っているのを放置するような宿はありませんから、なんとかなります。

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欠航をふまえた島旅のコツ

船の故障やトラブルを除き、天候が原因の欠航は、波の高さがわかる天気情報を見ることで、可能性の高さはわかります。危ない場合は、事前に日程変更したほうがよいでしょう。また、冬季はどうしても、欠航リスクが高くなります。1日ではなく、3日も4日も欠航が続くケースもあります。計画にゆとりをもたせ、柔軟に対応するのがポイントです。

1.長めに休みをとっておき、危なそうなら1日早く帰る

2.帰る日の翌日・翌々日に重要な予定を入れない

3.翌日、飛行機「は」飛べそうなら前日に連絡船で新島等に移動しておく

4.着替えや下着は1日分多めに持つ、または洗濯しておく

5.おやつや軽食を少し持っておく

なお、例えば、一週間も欠航すると、物資が入らず、島内の商店から生鮮食品はなくなりますが、島民は欠航に慣れているので、冷凍食品等で問題なく生活します。昔に比べると、保存食品が進化して、本当に便利になりました。

最後に、欠航したときの心構えです。あせっても、もうどうにもなりませんから、心機一転、1日増えた島の時間を有意義に過ごしましょう。同じ立場のみなさんで交流するもよし、昼からお酒を飲んでユルユルするもよし、観光を続けるもよしです!

PS.「おっ!!!欠航しちゃったなー♪」と嬉々として職場に連絡して、いそいそ風裏の釣り場に向かう釣り師もいるとか、いないとか。困ったものですね。