ヨーロッパでは長期休暇期間に、イタリアやスペイン、フランスの田舎で、キッチン付きのコンドミニアムやアパルタメントを借りて滞在型のバカンスを楽しむ人が多いそうです。特に、シチリア島やマヨルタ島、プロヴァンスなど南部の地中海沿岸を拠点に、ワイナリーを巡ってワインを集め、マルシェで新鮮な海産物や野菜を仕入れて、自ら手軽な料理を作って、気ままに過ごすとか。長期と言っても、実際は1週間、2週間単位であることが多いそうです。

さて、私といえば、根っからの国内派ですが、キッチン付きの自炊宿で、自分で釣った新鮮な魚をマネジメントし、簡単な料理を作ってワインを飲む「式根島流自炊滞在バカンス」を満喫しています。
自炊を毎日、というと大変そうに思われるかもしれませんが、魚は時間があるときにさばいて保存しておけば1週間は持ちますし、慣れればどうってことありません。私はドミトリー泊なので、だいたい1泊4000円前後で3泊滞在しても食費・交通費込みで4万円かからず、経済的なのも大変助かります。式根島にはダイナミックな野湯の湯治要素まであるのが、なおさら良いですね。


参考までに滞在中の献立の例をご紹介します。
1日目
朝食:トースト、コーヒー、大島牛乳、ミニトマトとチンした冷凍ブロッコリー、ヨーグルト、バナナ
昼食:島のお弁当
夕食:式根鯛平のカルパッチョ、アサリ水煮缶・釣魚で作ったジェノベーゼ
2日目
朝食:トースト、コーヒー、大島牛乳、ミニトマトとチンした冷凍ブロッコリー、ヨーグルト、バナナ
昼食:サンバレーでラーメン
夕食:鯛めし、(小分けして持参した)人参と小松菜の味噌汁

パンや牛乳、ヨーグルト、果物、ミニトマトは商店で買い、バターやコーヒーは必要分を持参。頼みの綱の式根鯛平は1匹1,500円くらい、夜の料理に使っている素材はこちらを参考。お金がそんなにかかりません。
ポイント
- 朝食はパターン化すると楽
- 和食党ならご飯をまとめて炊いて冷凍したり、ごはんパックを活用
- 松ヶ下雅湯で温泉卵をドカッと作って活用
- 夕食はちょっと美味しいレトルトのパスタソースやロイタイなどのカレーのパックに具材を追加する程度など、簡単に済ませつつリッチな味を楽しむ
- 面倒な時は主食抜きで、つまみだけで終わりなど気楽にやる
- 式根鯛平君を活用する
伊豆諸島で唯一養殖されている魚である式根鯛平君は安定供給しており、100g100円で美味と活用しない理由がありません。これを初日に1匹、2匹とオーダーして、腕まくりでさばいて、刺身用とブロックに切り分けておけば、1週間大活躍します。釣りの方も「釣らないと食べるものがない!」というプレッシャーがなくなり、非常にゆったりと釣りが楽しめて一石二鳥。 - BBQスペースを活用する
ダッチオーブンを借りて、商店で買ってきた豚ブロックや鶏肉と根菜をまとめて焼いておけば、素晴らしく美味しいだけでなく、これを元にしたシチューやカレーなどに転用できます。そこまでしなくても、良い季節であれば、毎晩BBQスペースで火起こしして、適当な素材を焼きながら、ゆるゆる飲んでもいいくらいです。アルミホイルがあれば、なんでも包んで焼けるし、屋内に持ち込んで食べるのも楽でよいです。 - 商店の掘り出し食材を楽しむ
地魚や冷凍のアカイカ、式根島の野菜が手に入ることがあり、食材との出会いも楽しみの一つです。また、なかなか美味しい安旨ワインが買えます(たぶん、島の方が自分の口にあったものを仕入れている)。 - 日帰り新島観光のついでに食材も仕入れちゃう
新島にはスーパーがありますので、連絡船にしきにのって、観光ついでに外食を楽しんだり、食材仕入れをこなすのも素敵です。
お料理が苦にならない方は、こんな感じで気楽に構えた、シチリアならぬ式根島流自炊バカンスを楽しんでみてはいかがでしょうか。
オマケ:式根島自炊バカンス族が増えて、島内でもっと地場の魚や野菜(特に明日葉やハーブ)が気軽に買えると良いなーと願っております。