地鉈温泉

海と一体感がある野湯

駐車場から193段の急階段で高低差50m近くを降り、たどり着く野趣あふれる海岸線の野天風呂。高温80℃の源泉のため、海水が流れ込む満潮時刻の前後90分が入り時。泉質は透明なナトリウム・塩化物強塩温泉で、湧出後、空気に触れて含有する鉄成分が酸化し、刻々と色を変える。析出物はさび色を帯びる。
この地鉈温泉は、古くから神経痛や冷え症に効果があるとされ、別名「内科の湯」として、多くの湯治客で賑わった。

入浴方法は、海へ近づくほど、海水と混ざってぬるくなるので、湯温を確かめながら、好みの湯壺を見つけるスタイル。潮の満ち引きに合わせて、人間の方が湯壺を移動すればよい。源泉は火傷をするほどの高温なので、間違っても靴のまま、足をいきなり突っ込んで探ったりしてはいけない。
金気臭漂う湯は海辺のナトリウム泉らしく、さらりとした肌触りで、よく温まる。眼前に広がる大海原を眺めながら、地球のパワーを五感で味わおう。

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