式根島まいまいず井戸

式根島まいまいず井戸は、1890(明治23)年から、3年の月日をかけて、20人足らずの島民と新島の協力者で完成させた悲願の掘井戸で、水不足に悩み続けた島民の生活、経済、産業を急速に向上させました。地下水位の深さから、らせん状に通路を作って掘り下げた原始的な井戸を、その形状より、「かたつむり=まいまい」になぞらえて、まいまいず井戸と呼び、同形状の井戸は東京都武蔵野台地や伊豆諸島に点在しています。この井戸がメインの時代、村の女衆は頭におけを乗せて、井戸と家の水がめを毎日何十回も往復して、水汲みをする重労働をこなしていました。

1970(昭和45)年の脱塩浄水場による簡易水道を経て、1976(昭和51)年に新島からの海底送水施設が完成し、式根島の水問題は解決しました。この、式根島まいまいず井戸は、今は非常用としての役割を残し、
水神社の祠、コーガ石のオブジェ、トイレやベンチを備えた公園に隣接しています。