1687年造営の式根島の鎮守「泊(とまり)神社」の唯一のお祭り「泊神社例大祭」は、毎年秋の11月7日(夜宮)8日(本祭)に行われます。

「泊神社例大祭」は島民で構成する泊神社を支え・守っていく組織「奉賛会」と子どもたちの「氏子会」が中心となって祭礼の準備をします。神主様は新島からいらっしゃって、御祭神への感謝と式根島の繁栄、豊穣豊漁、海の安全を祈る神事を執り行います。島民たちは式根島大漁節など伝統的なものから若者たちのダンスなど様々な演芸を奉納します。夜宮では、小規模ながら商工会や地域の商店による出店が並び、老いも若きも一堂に会す社交の夜でもあります。

境内は子どもクラブや関係者が手作りした個性あふれる行灯やお祭り提灯(御神燈)が照らし、式根島の祭りの夜を情緒豊かに彩ります。

何かのきっかけでこのお祭りを知って、わざわざ日程をあわせて来島したり、偶然参加して毎年来島するようになった方もいらっしゃいます。例大祭の参加を特別な体験と感じていただけたのは、単に演芸や屋台といった賑わいだけが理由ではないように思います。

離島という環境下で、恵みと脅威という海の両面を畏れ敬いながら生きる島民の深い信仰心と強く結ばれた共同体の姿に触れるとともに、訪れた旅人を分け隔てなく迎え入れる式根島の気風を感じられるからかもしれません。

もし、「普段とは違う式根島の表情を見てみたい」「どこか懐かしい日本の原風景のようなお祭りを体験したい」と思ったら、ぜひ、11月7日・8日に式根島を訪れてみてください。2026年は土日にあたります。