日本屈指の秘湯で野趣を味わう

式根島自慢の海中温泉群をご堪能あれ

式根島は約1万年前に噴火した式根島火山によって現在の形になった火山島です。現在も約80℃の高温泉が、主に島の南東部の海岸に複数湧き出しています。海水と混ざる野湯は、潮の満ち引きまかせの湯加減で、満潮干潮時刻を見計らって入浴するのが、お決まりです。共同浴場や引湯の露天風呂もあり、リゾート地でありながら湯治ができる最高の環境となっています。
現在休業中の憩の家を除き、すべての温泉は、24時間無料で水着着用がルールです。温泉に入りたい方は、夏期以外でも水着を忘れないようにしましょう。万一忘れた場合は、島内の井上みやげ店さんで販売しています。

式根島の4つの温泉

地鉈温泉

駐車場から193段の急階段で高低差50m近くを降り、たどり着く野趣あふれる海岸線の野天風呂。高温80℃の源泉のため、海水が流れ込む満潮時刻の前後90分が入り時。泉質は透明なナトリウム・塩化物強塩温泉で、湧出後、空気に触れて含有する鉄成分が酸化し、刻々と色を変える。析出物はさび色を帯びる。
この地鉈温泉は、古くから神経痛や冷え症に効果があるとされ、別名「内科の湯」として、多くの湯治客で賑わった。

入浴方法は、海へ近づくほど、海水と混ざってぬるくなるので、湯温を確かめながら、好みの湯壺を見つけるスタイル。潮の満ち引きに合わせて、人間の方が湯壺を移動すればよい。源泉は火傷をするほどの高温なので、間違っても靴のまま、足をいきなり突っ込んで探ったりしてはいけない。
金気臭漂う湯は海辺のナトリウム泉らしく、さらりとした肌触りで、よく温まる。眼前に広がる大海原を眺めながら、地球のパワーを五感で味わおう。

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※上がり湯はないので、ひだぶん宿泊者は屋外シャワー室をご利用ください

式根島港を臨む磯浜に湧く無色透明のナトリウム・塩化物強塩温泉。薄く緑がかり、湯壷の底から足元湧出を知らせる気泡が立ち上る。
源泉温度は55℃とやや低く、海の際であることから、干潮時刻前後90分が入り時。それでもぬるめの湯加減になることが多い。

外傷や皮膚炎に効果があるとされ、「外科の湯」と呼ばれた。

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※上がり湯はないので、ひだぶん宿泊者は屋外シャワー室をご利用ください

式根島温泉名人の「てらぴ〜十治朗」オーナーが中心となって復活させた「ふなりっと(舟入湯)温泉」が転じて「山海の湯」に。足付温泉よりさらに海に近く、引き潮で現れる海中の温泉だ。泉質は鉄分を含み、赤茶色に変色する。

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※上がり湯はないので、ひだぶん宿泊者は屋外シャワー室をご利用ください

潮汐を気にせず、いつでも安全に入浴するために造られた広々とした露天風呂。源泉は適温に調整された地鉈温泉の引湯を使い、のんびり湯浴みを楽しむことができる。また、夜間はライトアップされ、星を見ながらの入浴も人気。温泉卵を作れる源泉温度の湯溜めや足湯を併設。

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※上がり湯はないので、ひだぶん宿泊者は屋外シャワー室をご利用ください

温泉達人の道

  • なにはともあれ、満潮干潮時刻を先に調べて入浴計画を立てる
  • 大きめのペットボトルに水を入れて持っていき、地鉈温泉や松ヶ下雅湯の源泉温度に近いところに沈めておけば、湯上がりの頃に温まって、上がり湯に使えます
  • 地鉈温泉や松ヶ下雅湯では入浴している時間を使って温泉卵づくりができます(目安30分前後)
  • 水着はそのまま歩くことを想定して、ラッシュガード(パーカー+短パン付)のような普段着に近いタイプが便利です。色がつく可能性があるので、白っぽいものはおすすめしません。

注意ポイント

  • 式根島の露天風呂・野湯はすべて水着着用で利用する
  • 地鉈温泉や松ヶ下雅湯など赤茶色の温泉はタオルや水着の着色に注意
  • 荒天時は海中温泉の利用を控える
  • 飲酒や疲労時、体調不良時の入浴はしない
  • 立入禁止場所に入らない
  • 苔やぬめりで滑りやすいので足元に注意する
  • 掃除やメンテナンスで入れないときがある