火山が作り出した天然の造形美

足で歩いてゆっくり満喫する式根の大地

式根島は、約1万年前に噴火した式根島火山の活動により生まれたリアス式海岸や火口跡に広がる白い流紋岩質の砂漠など絶景・奇景の宝庫です。島の北側から西側をぐるっと回って南側まで歩く遊歩道が整備されていますので、ぜひ歩いて式根島の大自然を体感してみてください。島中のスポットをすべて歩くと、1日がかりになりますが、2日に分けて、各スポットでお弁当を食べたり、休憩をしながら、のんびりハイクがおススメです。

ハイキングMAP

式根島観光協会や東海汽船、各宿などで配布しているハイキングMAPは、インターネットでも見ることができます。島内はほとんどインターネットが通じますが、西側や奥の海岸など、一部不通となるので、あらかじめダウンロードしておき、オフラインでも見られるようにしておくと便利です。
遊歩道ではGoogleMAPより、GPSで位置や国土地理院地図と足跡が表示される「みんなの足跡」が便利です。

MAPを忘れずに!

ハイキングスポット

出逢い橋は東京都道237号式根島循環線(式根本道)の西側にかかる橋で、自転車を停める空き地もあるので、起点にすると便利。この橋の北側に大浦海岸へ方面へ向かう道路に降りられる階段がある。

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出逢い橋
奥の空き地に自転車が停められる
ここから交差する大浦海岸方面の道路に降りられる
階段を降りたところから、上に見えるのが出逢い橋
遊歩道の入口
各所に地図がある

式根島北側に連なる3つのビーチの1つで一番西側にある大浦海水浴場。遊歩道に入る手前に、道路を歩いて寄って行こう。ルートを時計回りにとって、日没時間に合わせて、大浦海水浴場をゴールに設定し、夕日を眺めるプランもおすすめ。

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やや深く、海底に変化がある、中の浦海水浴場はシュノーケリングの人気スポット。遊歩道から階段で少し下れば、広々としたビーチが現れる。

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神引(かんびき)展望台は、カンビキ山(標高98.5m)にある展望台で、新東京百景に指定されている名勝地。トイレ併設の駐車場から、100段の階段を上がって、断崖絶壁上の展望地に上がる。強風時は注意を要する。
丸山(神引山)山頂には、江戸時代に伊能忠敬の測量チームが残した方角石の複製がある。

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神引展望台
神引展望台
断崖絶壁にある
丸山(神引山)から見る展望台
丸山(神引山)にある方角石
神引展望台入口の階段

荒涼とした砂漠のような景観が特徴的な唐人津城(とうじんつしろ)は式根火山の古い火口の跡。津城とは昔の言葉で人や魚が集まる場所のこと。踏み跡が続くが、浮石の多い、崩れやすい断崖絶壁にあり、強風時は風速20m以上の風が巻いている。無理をせず、安全第一で行動を。なお、島の最高地点はそばにある佐々木山109mとなる。

唐人津城
唐人津城
強風時はこれ以上先は危険
手前のテラス
入口分岐のテーブルベンチ

唐人津城同様、古い火口跡の景勝地。隈の井(くまのい)の地名は、雨が降るとすり鉢状の火口跡が水を集め、「幻の池」が出現することから。広々とした砂漠上の大地には、ベンチが点在し、休憩にちょうど良い。崖側は強風が吹き抜け、崩れやすい。柵がないので注意。

隈の井
崖側は柵がなく危険
DANGERの注意看板
ベンチが点在
こもれびの森

御釜湾(みかまわん)を見下ろす3つの展望台のうち、もっとも南にあり、階段で上がる立派な造りの第一御釜湾展望台。車道にある森と火山ロード入口からも入れ、徒歩12分~15分で到着できる。

第一御釜湾展望台
第一御釜湾展望台からの眺め
ミチナシのアシカ穴や御釜湾を望む
案内板

御釜湾(みかまわん)を見下ろす3つの展望台の真ん中にある展望台。神津島のが正面に見える。御釜湾遊歩道入口からは約20分で到着できる。

第二御釜湾展望台
御釜湾を見下ろす
神津島がよく見える

御釜湾(みかまわん)を見下ろす3つの展望台の一番北側にある展望台。神津島のが正面に見える。御釜湾遊歩道入口からは約12分で到着できる。

第三御釜湾展望台
御釜湾を見下ろす
島の北側の海まで見える

津城(つしろ)は人や魚が集まる場所を指す古い言葉で、浜津城(はまんづしろ)も好漁場の1つ。草がうるさい小道を浜まで降りると、静かな入り江が現れる。磯や岩場は足跡がつかないため、下りてきた道を見失い戻れなくなる事故が多発するので、必ず振り返って覚えておくこと。車道にある浜津城入口から徒歩10分弱。

浜津城
浜津城
浜津城
向かう道
入ってきた道を見失わないように(中央付近)
浜津城入口

式根島中心地から地鉈温泉に向かう途中にある四角い穴が「湯加減の穴」。手を入れると温度と湿気を感じ、足付温泉の湯加減がわかるという。せっかくだから体験してみよう!ただし、たまに猫が入ってます。

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湯加減の穴

地鉈温泉入口すぐそばにある足地山の展望台。新島や式根島港を見下ろし、向かって右手に神津島を望む。この展望台入口付近から足付温泉や松が下雅湯方面に徒歩で降りることかできるルートがある。

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ベンチがある足地山展望台
お茶目な多角点
神津島を臨む
大海原
足地山展望台入口

式根島中心地の東駐車場から193段の急階段で高低差50m近くを降り、たどり着く野趣あふれる海岸線の野天風呂。高温80℃の源泉のため、海水が流れ込む満潮時刻の前後90分が入り時。泉質はナトリウム・塩化物強塩温泉で、含有する鉄成分が酸化して刻々と色を変え、析出物はさび色を帯びる。
この地鉈温泉は、古くから神経痛や冷え症に効果があるとされ、別名「内科の湯」として、多くの湯治客で賑わった。

DATA
海と一体感がある野湯
源泉80度あるので注意
断崖が迫る奇勝
50mくらい階段を下りて到達
地鉈温泉入口
地鉈温泉入口

東京都道237号式根島循環線(式根本道)終点付近にある300m足らずの木洩れ日が心地良い小道。バードバスの石臼が、手入れの行き届いた道脇に点在し、野鳥のさえずりが聴こえてくる、おすすめスポット

野鳥の小道
石臼のバードバス
木漏れ日が心地よい
野鳥の小道入口

ハイキングの持ち物

一周コースでも累積標高250m~300mのアップダウン程度の軽いハイキングとはいえ、浮石の多い岩場など不整地が歩ける登山靴が理想です。紫外線や虫対策を忘れず、飲み物や軽食を持つようにしてください。
山歩きの経験者でピークハントを考えている方は、山用のGPSアプリやみんなの足跡サイトが役立つでしょう。

・式根島MAP
・虫除けスプレー
・上着

・ディパック
・歩きやすい靴
・帽子・サングラス

・飲み物や軽食
・タオル
・救急セット

注意ポイント

  • 暖かい季節でも、蚊などの虫、蜘蛛の巣が多く、草も茂るので、長袖が安心
  • 飲酒や疲労時、体調不良時は無理をしない
  • 強風時、崖上はさらに強い風が吹くので近寄らない
  • 岩場や磯は踏み跡がつかないため、来た道を戻れなくなるトラブルに注意。振り返って見ておく、写真を撮るなど対策を。
  • トラブルが起こったら、宿泊している宿に連絡をしたり、場合によっては110または新島警察署04992-5-0381に通報してください。式根島にも駐在所があり、警察官が常駐しています。

参考リンク