高森灯台・高森観音

石油ランプ式の灯台

野伏港と小浜港の間、標高53mの高森山山頂に1930(昭和5)年に造られた石油ランプ式の高森灯台がある。少し下がった場所には、漁船などの航海安全と、島民の家内安全、安産を祈願した高森観音が祀られ、テーブルとベンチが設置されている。
この高森灯台は、当時75歳であった「宮川タン」という名のおばあさんが、頻発する漁船の夜間の遭難に心を痛めて決心し、5年もの間、高森山上で生活しながら、私財と労力を注いで建設した。88歳まで、杖をつきながら石油をもって、山に上がり、灯りを灯し続けたし逸話は、童画「小さな島の小さな星(久保喬・文、鈴木義治・画、童心社、1984年)」として出版された。また、野伏港のランドマークである野伏港埠頭灯台(通称:赤灯台)は、この高森灯台をモデルにして造られたデザイン灯台である。現存する階段は190段ほど。往時に思いを馳せながら足を運んでみよう。