初めて自分で釣った魚を料理して食べた日

2023年の夏は、大島から先の伊豆諸島の観光業界にとって災厄の年となりました。原因は、大型客船さるびあ丸のアジマス推進器故障にあります。さるびあ丸は、2023年8月1日から推進器を止め、大島止まりで低速運航し、大島から先に行く客は、大島で高速ジェット船に乗り換えることになりました。ところが、大型客船に比べ、時化に弱い高速ジェット船は、台風6号と7号の影響で、よりによって一年で一番の稼ぎ時である8月8日から15日まで全便欠航してしまったのです。

■当時の新聞の見出し
伊豆諸島の観光業界が悲鳴 台風に「さるびあ丸」の不具合も重なり… 「開業以来の大打撃」

そのような状況の中、私は、幸運にも当初の予定通りの8月16日。久しぶりに式根島に着岸した高速ジェット船「愛」で、野伏港に降り立ちました。

元々、私は、伊豆諸島には登山を目的に訪れていました。しかし、とあることをきっかけに「釣りをしてみよう」と思い立ち、今回は、初めて、初心者用の竿セット、仕掛け、常温餌、水くみバケツ、ハサミ、魚つかみの最低限の道具を持ってきたのでした。

野伏港でおそるおそる竿を出して捕らえた、記念すべきファーストフィッシュは、その後、親密な関係を築くことになる「イシガキフグ」でした。順調に「キタマクラ」など基本の外道を履修していたところ、いかにも「魚」然とした、魚を釣りました。その場で調べると「食べられなくはない」とあった「イスズミ」という魚でした。宿に持ち帰って、夕食に出してもらえるか、尋ねたところ、一瞬の戸惑いを見せつつ、塩焼きにしてくれました。それ以来、食べていませんが、食べられなくはなかったです。

3日目に、さるびあ丸で新島に渡り、観光の後、前浜港で釣りをしました。すると、ショゴ(カンパチの子)やオジサンなど、(当時の私にとって)まばゆいばかりに立派な魚が釣れました。自炊宿だったので、スーパーで見つけたタカベと一緒に、簡単な料理を作りましたら、素晴らしくおいしい!それが、「自分で釣って、さばいて酒を飲む!」にハマった瞬間です。

そして、なぜか、イシガキフグやキタマクラ、イスズミを釣り上げた式根島が、私のメインの釣り場になったのでした。

はじめて式根で釣ったのがイシガキフグ。なんなのこいつ。

↑黄色は食べやすく美味しい魚(当社比)

タカベのオリーブオイル焼き
トマトときのこのペペロンチーノ
ショゴ(カンパチの子)のカルパッチョ
持ち帰ったアカヒメジのポワレ

調理のポイント

レシピ

タカベのオリーブオイル焼き

  1. タカベはエラと内臓をとり、包丁でうろこをこそぎ取って、塩を軽くふって、でてきた水分を拭き取る。
  2. フライパンにオリーブオイルをひき、1とブロッコリーと刻みにんにくを入れ、ふたをして両面焼く。オイルに直接にんにくを入れると焦げるので、後入れする。
  3. 火が通ったら、皿に盛り付け、レモンを絞っていただく。
バエパッチョ提唱者

こんにちは。私は、「自分で釣った魚で料理を作って、美味しいお酒を飲むため」に式根島に通っています。舌も心も踊るバエるカルパッチョ「バエパッチョ」を提唱しております。この「今宵もしきねでバエパッチョ」が゛釣って作って食べる民”の多少の参考になれば幸いです。