今宵もしきねでバエパッチョ自分で釣って、さばいて、飲む!

ぶっ込みカンパチ

2025年2回目となる式根島釣行は、2月の飛び石に有休を充てる贅沢3泊プランです。2月に釣りに行くというと「寒くないの?」と驚かれますが、-20度の雪山でも愛用している「めっちゃ熱いカイロ 貼るマグマ」があれば余裕です。

※小林製薬の回し者ではありません

オフシーズンのさるびあ丸

「真冬は欠航が怖くないか?」とも聞かれます。海天気windy週間気圧配置図で、欠航確率はある程度は推測できますし、2泊以上なら泊数を縮めるなどして対応できます。台風より影響も短く、今のところ、冬季に荒天理由で計画のやりくりをしたことはありません。船の料金も安いし、のんびりしたい人にはおすすめのオフシーズンです。

乗船風景もこんな感じで、繁忙期が嘘のよう。

いつもの特二等でぐっすり寝て、朝食はさるびあ丸の船内レストランで、ANAファーストクラスでも提供しているという「ミシュラン2つ星の老舗 精進料理 醍醐のカレー」なるセレブなカレーをいただきました。

太平洋を見ながらいただく朝カレーは最高ですな

新島に近づいたので、最上階デッキに上がってみると、汽笛の音ともに無賃乗船カラスが飛来しました。数週間前に続いて2回目の対面です。

式根島に到着しました。週末なのに、お迎えの数がとても少ないです。いい天気なのになぁ。

食材調達

今回の「釣って・さばいて・飲む!」テーマは、世界の魚料理シリーズ「中国重慶」「タイ」「ベトナム」と、「レモングラスやバタフライピー」を使った料理です。なんとしても材料を手に入れなければなりませんので、珍しく真剣に釣りをします。

まず、必要なのは、蒸し料理に使うアカハタ系の白身魚、次に、ウツボです。私は、貸し切り状態の足付桟橋で一人、課題に取り組みました。

誰もいませんが、こぼれたオキアミの掃除をしてくれるイソヒヨドリが、ずっと傍らにいてくれて寂しくありません。

そして、いつもはうんざりするほど釣れるウツボも、狙ったとたん、なかなか獲れないわけです。それでも小さなトラウツボをなんとか1匹ゲット。蒸し魚用はアカハタとベラが合計3匹。こんなところでいいでしょう。

ぶっ込みカンパチ

そろそろ戻ろうかな、と緊張が解けた頃。

目の前に落としていた底釣り用の竿に強い当たりが、いや、横に引っ張られて飛びそうになっています。この竿はイシガキダイやフエダイなど足元の底にいる強い魚を狙っていて、通常は、かかった魚は真下につっこみます。ところが、その太いナイロンラインが必死な誰かに真横に引っ張られているのを見て、私は一瞬キョトンとしてしまいました。

それでも、反射的に竿をつかんで正体不明の魚の走りを止め、こちらを向かせて、タモを片手に取り込みました。

こっちもキョトン

上がってきたのは、なんと季節外れ?のカンパチでした。引きが強いわけで、50センチあります。

「こいつは野伏でルアーで釣る魚だろう~」と独り言をいいつつ、式根島では、たまに桟橋の壁際を舐めるように割と大きなカンパチが走っていくのを見ていたので、珍事は珍事ですが、自分なりには納得しました。

ある意味バラエティ豊かな釣果

ひだぶんカクテル誕生秘話

世界の魚料理を楽しんだあとは、ひだぶんメンバーで「ひだぶんカクテル」の開発です。

ひだぶんでは、前々からレモングラスを栽培し、お茶に加工して売っています。そこから派生して、そのパッケージをフルリニューアルし、さらにバタフライピーをブレンドしたレモングラス&バタフライピーティーも販売することになりました。

さらに、これを使って、お客さんに提供するカクテルを開発しよう!となったのです。コンセプトを練っていくうちに、ただ美味しいだけでなく、カクテルで式根島の良さがさらに伝えられたら素敵!となり、式根島の素晴らしい「サンライズ」「降るような星の夜」「そして夜と朝のあいだの夜明け・黎明」をイメージした3種類を考えることにしました。

一番、苦戦したのは、太陽が夜の底を明るく照らす、夜と朝のあいだを表現するカクテルです。朝はオレンジ色、夜はバタフライピーの深い青、その間をつなぐのが問題です。中間に牛乳を注いだら大失敗。

バエない

「うまくいきませんねー」
「分離しちゃうんですね」
「比重が合ってないんかな」
「酸度の問題でしょうか」

「味はばっちりなのになー」

どうしたものか。ヤマちゃんと私がフラスコが爆発した研究者くらいの気持ちになって、ああでもないこうでもないと議論し、いいアイデアが思い浮かばず嘆いていると、黙ってその様子を見ていた、ひだぶんの顧問税理士さんが「これならどうでしょう」と目の前にあった●●●●(企業秘密)を指差しました。む。たしかに比重が合って、うまくいきそうです。

じゃじゃーん

バエている

まさに黎明。大成功です。

時間は23時を過ぎ、全員、大酔っぱらいなのに、なんという機転。税理士さんありがとう!決算月でよかった!

というわけで、ひだぶん秘伝のタレならぬ、秘伝のカクテルが完成したのでした。

カクテルの名前は「神引の星空」「暁のぐんじ山」「石白の朝焼け」に決まりました。

しれっと商品開発会議を抜けて先に寝た、ひだぶん女将のおみつが「式根島に来たら、美しい束の間の景色も見てね!」という、熱い想いを込めて、おすすめスポットの名前を盛り込んでネーミングしました。バエるだけでなく、味も大変おいしいですので、ぜひ、ゲストハウスひだぶんにお泊り頂き、味わってみてください。

↑黄色は食べやすく美味しい魚(当社比)

今回は世界の魚料理(中国の重慶とタイ・ベトナム)と、ひだぶん商品の「レモングラスティー」や「レモングラスとバタフライピーのブレンド・ティー」を使った料理がテーマでした

長期滞在中は、こういう系をもってくると、変化があってよい

調理のポイント

レシピ

プラー・ヌン・マナオ
(白身魚のライム蒸し)

  1. 魚は鱗と内臓、エラをとって、腹に生姜やレモングラスを詰めておく。にんにくや生姜をみじん切りにする。レモングラスは輪切り。
  2. たれ(ナンプラー大さじ3、ライムまたはレモンの汁 大さじ3、砂糖小さじ1)を作っておく
  3. 皿に魚を並べて火が通るまで蒸し、火が通ったら、2のたれをかけ、パクチーなど好みの香草と刻んだ唐辛子をのせて出来上がり

    ■ポイント
    レモングラスは生でなくても、ドライでもOK。ゲストハウスひだぶんのレモングラスティーはお料理にも使えます。釣った魚で気軽に作れて便利。
バエパッチョ提唱者

こんにちは。私は、「自分で釣った魚で料理を作って、美味しいお酒を飲むため」に式根島に通っています。この「今宵もしきねでバエパッチョ」が式根で釣りをやってみるきっかけになったり、自炊民の多少の参考になれば幸いです。